1. 概要
2. 推奨する検索式
医中誌Webを運営するNPO法人医学中央雑誌刊行会は,次の検索式を推奨しています。
SARSコロナウイルス-2/TH or "コロナウイルス急性呼吸器疾患(2019-nCoV)"/TH or COVID-19/AL or (コロナ/TA and DT=2020)
この検索式を医中誌Webの検索窓にコピペして検索すると,COVID-19に関する論文を網羅的に検索できます。
検索式の解釈は次の通りで,これら4つに該当するものを一度に検索しています。
(1)「SARSコロナウイルス-2」の統制語*がついた論文
(2)「コロナウイルス急性呼吸器疾患(2019-nCoV)"」の統制語*がついた論文
(3)「COVID-19」という用語がどこかに記載されている論文
(4)「コロナ」という用語がタイトルか抄録に記載された2020年の論文
特に(4)に当たる「(コロナ/TA and DT=2020)」という検索式があることで,「新型コロナウイルス感染症」や「新型コロナ」,あるいは単に「コロナ」と記載されているだけの論文も検索できるようにしています。
(1)ウイルスに関する論文:「SARSコロナウイルス-2」
(2)疾患に関する論文:「コロナウイルス急性呼吸器疾患(2019-nCoV)」
(3)ワクチンに関する論文:「COVID-19ワクチン」
(4)タンパク質に関する論文:「SARSコロナウイルス-2スパイクタンパク質」
3.実際の検索結果
表1 COVID-19関連用語を使った医中誌Webでの検索結果
No. |
検索窓に入力した検索式 |
ヒット件数 |
1 |
SARSコロナウイルス-2/TH
or "コロナウイルス急性呼吸器疾患(2019-nCoV)"/TH or
COVID-19/AL or (コロナ/TA and DT=2020) |
1,830 |
2 |
COVID-19 |
1,433 |
3 |
新型コロナウイルス感染症 |
1,224 |
検索実施日:2020年11月9日
論文によって,「新型コロナウイルス感染症」や,「新型コロナ」,「COVID-19」など表現の違いがあるためです。医中誌が推奨するNo.1の検索式は,これらの表現の違いを加味した網羅的な検索ができています。
4.COVID-19関連論文検索時の注意点
4-1. 論文が医中誌Webに掲載されるまでには時間がかかる。
医中誌Webをはじめとしたデータベースは,情報を収集し掲載するという工程を踏むため,論文の情報が掲載されるまでに時間がかかります。
掲載後もしばらくは,Pre医中誌という情報が不完全な状態のため検索にヒットしにくいです。COVID-19の最新情報を収集しようとするときには,この点を考慮する必要があります。
4-2. 医中誌webに掲載されたばかりのデータは検索しにくい
このデータは医中誌による加工が行われておらず,もともとの論文情報に合致する検索をしなければなりません。
例えば図1はCOVID-19関連論文ですが,「コロナ」と検索しないとヒットしません。
Pre医中誌として医中誌に掲載されてからしばらくすると,シソーラス用語や医中誌フリーキーワードというタグ(≒統制語)が付与されます。これに伴い,Pre医中誌の表記が消えます。図2はその例です。
図1と同じようにタイトル中に「コロナ」としか書かれていない論文ですが,シソーラス用語や医中誌フリーキーワードといったタグが付与されており,その効果で「COVID-19」や「新型コロナウイルス感染症」と検索してもヒットします。
医中誌が推奨する冒頭の検索式を使用することでこの点がカバーできます。
5. PubMedにおけるCOVID-19の検索
https://mncsearch.blogspot.com/2020/11/pubmedcovid-19.html
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東邦大学医学メディアセンター文献検索ヘルプデスク
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